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  • 2020年4月22日
  • 読了時間: 3分

更新日:2020年4月25日


 稽古のできない日々がつづいていますね。稽古はもちろん、試合も、段審査も、すべて中止。こんなに剣道ができない状況は、第2次世界大戦で日本が敗戦国となり、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の占領下で剣道が数年間にわたって禁止された時代以来、およそ70年ぶりのようです。

 では、剣道が戦争の道具と見なされ禁じられた時代、先人たちはいかに時を過ごしていたのでしょうか。コロナ禍に生きるヒントを求めて、こんな本を購入しました。月間剣道日本1995年10月号。特集はズバリ「戦争と剣道」です。

 この特集には戦中のことも載っています。「荒っぽい戦時剣道は楽しくなかった」とは第9回全日本剣道選手権大会の優勝者である伊保清次範士の言葉。そして戦後、剣道がついに、完全に禁止されてしまいます。進駐軍(日本に駐留した連合国軍)に竹刀や防具を燃やされてしまったり、剣道場が卓球場に変えられてしまったり。もちろん戦後すぐだと、誰もが、食べものにすら困る、生きるのに必死な時代ですから、剣道どころではありませんでした。しかし衣食住が充実してきても、剣道はあいかわらず禁止されたままでした。

 先人たちは立ち上がります。特集記事では、戦後の剣道復興に尽力した、さまざまな人々のエピソードが載せられていました。その中に、山梨の、こんな剣士が紹介されていました。この剣士は戦地から戻ったのち、進駐軍の通訳をして家族をやしない、戦後を生き延びました。そして時代が落ち着くと、なんとか剣道を再開できないかと頭をひねり、進駐軍にかけあいました。フェンシングに似せたルール(八つ割りの竹刀に袋をかぶせたり、一本取るたびに得点を入れて4点、5点と加算していくポイント制を導入するなど)で試合をさせてほしいと交渉したのです。この交渉は見事に成功し、試合が実現しました。

 この人物が山梨の剣道復興の礎(いしずえ)となったことはいうまでもありません。ちなみに、この人物の名前は島田里。そう、大野剣友会の島田稔会長のお父様です。

 戦後、剣道復興に力を尽くした人々のおかげで、今があります。現代を生きる私たち剣士は、個人差はあれど、そしてたとえ無意識にでも、剣道を単なるスポーツとしてだけでなく、礼法作法、思想も含めた、いわば文化として受け継いできました。そして剣道という文化には、戦後の剣道復興に尽力した人々の精神的DNAも含まれていると思うのです。

 剣道は武道です。「武」という文字の成り立ちは、「戈」(ほこ)を「止」める、です。すなわち武道は、相手の攻撃を止める道です。

 今、わたしたちを攻撃しているのは未知の相手、新型コロナウイルス。その猛攻撃を止めるために今、わたしたちが剣士ができる最大の「攻め」は、いわゆる稽古を我慢すること。悔しいジレンマですが事実です。だから、我慢するしかない。我慢しましょう。

 でも、いつか剣道ができるようになったら、剣士みんなで力を合わせて剣道界を盛り上げたい。そのために今、自分にできることは・・・・・・さ、素振り素振りっ!

 

更新日:2020年5月5日


 新型コロナウイルスの影響で、ついに緊急事態宣言が出されました。今は自分と、周りの人の命を守ることが最優先。剣道については、みんなで稽古をできる日がくるのはかなり先になりそうですね。それぞれが、一人でできることをやるしかないみたいです。 

 一人稽古と言えば、素振り。みなさん、素振りしてますか。私は毎日やっています。画像は「素振りアプリ」のホーム画面。百秀武道具という剣道具屋さんが開発したアプリです。スマホを持っている人は、『剣道/素振りアプリ』で検索してみてください。管理人である私も、毎日使っています。全国の中での順位が出たりして、面白いですよ。

 ところで素振りをしているうちに最近どうにも気になってきたのが「小指半掛け」って言葉。島田会長もおっしゃっていた、竹刀の持ち方、構え方の言葉。

「竹刀を構えるとき、左手は小指半掛け。柄頭に小指を半分掛けて持つ」

 この持ち方の効果は、私も実感するところです。そうやって持つと、打突の瞬間の剣先がストンと落ちる。打突に冴えが出る。だから、その効果は分かるんです。

 分からないのは、「小指半掛け」の理想形。「小指を柄頭に半分掛ける」の「半分」って、本当のところ、「小指の何の半分」なのかってことです。

 小指の「長さの半分」ってこと? それとも「小指の腹の面積の半分」? あるいは半分っていうのが言葉のあやで、「ちょいとひっかける」という意味? ひっかける、だったとしたら、ひっかけるのは小指のどこをひっかける?

 おそらく「小指半掛け」という言葉を広く知らしめたのは「現代剣道の祖」と言われている高野佐三郎先生です。でも、その高野先生も「半分」という言葉の意味については解説を残していません。では、何なのか。

 そんなことを考えてあーでもない、こーでもないと竹刀を振っているうち、最近、こんな発想に行きつきました。

「ちょうどいい小指半掛けの位置、掛け方を決めるのは、薬指と中指なのではないか?」

 薬指と中指で竹刀を固定しやすい位置で柄頭をてのひらに収め、その柄頭に小指の先の関節から先を当てて引っ掛ける、すると、かなり収まりがいいことに気づいたのです。

 思い返せば全日本選手権六回優勝で「平成の剣豪」と呼ばれる宮崎正裕先生は「両手とも、中指と親指の二本指だけで竹刀を持てるぐらいにしています」と語っています。もちろん小指、薬指を遊ばせているわけではなく「右手も左手もしっかり持つ」とおっしゃっていますが、中指を強調しているあたりが、独特ですよね。 

 実は宮崎先生以前にも、中指の重要性を語っていた人がいました。「明治の剣聖」という異名を持つ、明治時代の山田次郎吉という先生です。山田先生はこう断じます。

「剣は中指で握るのだ」

 中指で握る!? ちょっと衝撃的な言葉。でも明治の剣聖と平成の剣豪がそろって中指を強調しているのだから、何かがありそうだって思いませんか。

 現時点、私は手の形のせいなのか、中指だけだとどうもうまく握れません。イメージで言うと「中指と薬指の間で持つ」と、「小指半掛け」がしっくりきます。

 まだまだ研究途中ですから今後変わる可能性もありますが、ともかく今はそんな感じ。刀と人間をつなげる唯一の接着面である手の内。手のひらの中に宇宙がある感じで、どこまでも追及が終わりません。

 てなわけで今回の内容、子どもたちにはちょっと難しかったかもしれませんね。それでも伝えたかったのは、素振りって、それくらい、ものすごく大切なのよってこと。

 私も、素振りでさらに、理想の手の内を追い求めたいと思っています。冒頭の、素振りアプリを使って。

 
  • 2020年3月26日
  • 読了時間: 2分

 桜の季節がやってきました。大野剣友会で新たに中学生となるのはM丸くん、T屋くん、H坂くんの3人。残念なことに新型コロナウイルス大流行の影響で、小学校の卒業を祝う言葉も、稽古をがんばってつづけてきたことへのねぎらいの言葉もかけてあげられませんでした。そこで、このブログにて、三人にメッセージを送らせてもらいます。

 M丸くん。キャプテンという役割を十二分に果たしてくれました。時には言葉で、時には行動で、みんなをひっぱり、あるいはみんなの手本となりました。困っている子や傷ついている子に、あなたがさりげなく手を差し伸べている姿を、何度も見ました。仲間への気配りという点であなたは歴代ナンバー1キャプテンだったと思います。卒業おめでとう。中学生になっても強くなりたいという情熱を保って、稽古に励んでください。 

 T屋くん。入った頃どこか頼りなかったあなたは、大野剣友会で大きく成長しました。出なかった声が出せるようになり、使えなかった技が使えるようになった。あなたの「しゅん」発力を生かした面打ちには目を見張るものがありました。大野剣友会で培った剣道の基本(技術だけでなく、武道精神、礼法作法も含めて)は、これからあなたがさらに成長していく上で、大きな力となるでしょう。卒業おめでとう。たまにはまた、大野剣友会に遊びに来てね。

 H坂くん。あなたはどこか、探究者のようでした。勝つことよりも、どうやったら上手に打てるか、というような、別次元の追求をしている人に思えました。大野剣に入ってからのあなたは、広い意味での成長という点で、一番「伸びた」剣士ではないかと思います。一歩一歩、地道に剣道を続けてきました。その一歩一歩が、あなたの人間としての成長の歩みに重なっていました。案外、あなたのような人が、のちのち六段、七段と、剣道で大成したりするところが、剣道の面白いところです。あなたは、伸びしろがまだまだたっぷりある人です。その伸びしろを存分に利用して、立派な人になってください。卒業おめでとう。あなたの未来に幸あれ。



















 
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